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特集 ライフステージに対応した糖尿病診療のコツ
Ⅱ思春期の患者への対応
1型糖尿病患者への対応―診察,検査,治療のコツ
Management of type 1 diabetes in adolescents
大津 成之
1
,
菊池 信行
2
1北里大学病院 小児科
2横浜市立みなと赤十字病院 小児科
キーワード:
①1型糖尿病
,
②思春期
,
③二次性徴
,
④インスリン療法
,
⑤心理的アプローチ
Keyword:
①1型糖尿病
,
②思春期
,
③二次性徴
,
④インスリン療法
,
⑤心理的アプローチ
pp.395-399
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101374
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はじめに
思春期は子どもから大人になるために誰もが通る時期である.楽しく順風満帆に過ごした方もいれば,挫折感やほろ苦い思いをもってなんとかやり過ごした方もいるだろう.自分たちが通り過ぎた時代でありながら大人になった今,医療者や親として思春期の子たちを前にどう接したらいいのか思い悩む方も多いことと思う.
若年期に発症した1型糖尿病の患者にも思春期は訪れる.二次性徴や身長の急激な伸長による体の大きな変化にとまどい,毎日の勉強や課外活動に追われ,友人や家族との関係に悩み,入学,卒業,就職の度に新たな決定を強いられる.1型糖尿病の患者は,これらに加えインスリン注射を定期的にしなければならず,血糖や食事や身体活動に配慮しながら毎日を送らなければならない.そうしたなかで,重圧に耐え切れず身体および精神心理両面にさまざまな問題を生じ危機的状況に陥る場合がある.1型糖尿病の診療に携わっている医療者の誰しもが,こうした患者さんの対応に苦慮された経験がおありと思う.
本稿では,1型糖尿病の医療に関わる医療者を対象に,1型糖尿病に関連する思春期の病態生理,身体的問題への留意点,精神心理面の問題とその対応を提示する.
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