特集 Brush Up! CDE 症例から考える糖尿病療養指導
Ⅵよくある合併症
糖尿病足病変の患者への指導―患者が足に関心を持つためのかかわり
小久保 敦子
1
1独立行政法人国立病院機構京都医療センター
キーワード:
①糖尿病足病変
,
②療養指導
,
③フットケア
Keyword:
①糖尿病足病変
,
②療養指導
,
③フットケア
pp.255-259
発行日 2012年3月31日
Published Date 2012/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101342
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症例 60歳代前半 男性 2型糖尿病
患者Aさん,2型糖尿病罹病期間13年.2003年に糖尿病で他院に教育入院し退院後は放置していた.2,3年前から右足の第1趾に胼胝があり自己処置を繰り返していた.3週間前から発赤腫脹が憎悪,倦怠感を伴い外来受診した.家族構成は,妻とは離婚し子ども2人は独立しているため現在一人暮らし.仕事はタクシー運転手.アルコールは飲まない.喫煙は1日20本を50年.
身体的所見:身長163.0cm,体重46.85kg,BMI 18.3,血圧120/50mmHg,脈拍114回/分,HbA1c(JDS値)12.0%,随時血糖306mg/dL.神経学的所見:振動覚 左母趾4秒.モノフィラメント 右5.07不可,左4.31不可.足背動脈 左触知可.後脛骨動脈 左右触知可.皮膚は下腿から足裏まで全体的に乾燥している(Box 1).合併症は糖尿病網膜症(前増殖期)あり,糖尿病腎症(3期A).
「糖尿病の人は足に気をつけないといけないというのは知っていましたけど,すぐに治るだろうと思って,市販の軟膏を塗っていました.痛みがなかったからわからなかった」
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