特集 Brush Up! CDE 症例から考える糖尿病療養指導
Ⅶそのほか
患者に上手に自己決定してもらう考え方や方法
水野 美華
1,2
1原内科クリニック
2大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
キーワード:
①糖尿病患者
,
②モチベーション
,
③おまかせ医療
,
④支援
Keyword:
①糖尿病患者
,
②モチベーション
,
③おまかせ医療
,
④支援
pp.260-262
発行日 2012年3月31日
Published Date 2012/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101343
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症例 50歳代 男性 2型糖尿病
T氏は2型糖尿病と診断されてから20年が経過した50歳代の男性で,職業は会社員(職種は営業系で管理職),家族構成は妻と娘2人の4人家族.
当院には網膜症(増殖前網膜症),腎症(顕性腎症前期)を併発した状態で転院してきました.これまでは内服治療で,HbA1c(JDS値)8~9%台でコントロールされてきており,当院でインスリン導入時,中間型インスリンの2回法(朝夕)でコントロールし,HbA1c(JDS値)6.8~7.5%でした.
血糖自己測定(以下SMBGと記す)の結果から,夕食の時間が遅い日の就寝前(夕食後2~4時間後)の血糖値が200~250mg/dL前後で,その翌朝も150~180mg/dL前後と高めの傾向にあり,20時頃までに夕食を摂れた日は130~160mg/dL前後,翌朝も90~120mg/dL前後と,夕食の時間が血糖値に大きく影響していました.さらに,夕食前の血糖値が80~160mg/dL前後と日によって大きなばらつきが見られるという傾向がありました.T氏から得られた情報の中から,食事療法に関する主な問題点として,間食習慣があること,夕食がときに遅い時間帯になること,昼食がいつもボリュームあるものとなることがあります.
SMBGの結果から,医師が「就寝前の血糖値が高めだとやはり翌朝も高い,日によって夕食前の血糖値が大きく違う.このポイントをもう少し何とか改善できるようにして欲しい」との依頼を受け,T氏と面談を行うことになりました.
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