特集 Brush Up! CDE 症例から考える糖尿病療養指導
Ⅵよくある合併症
糖尿病神経障害患者への支援を工夫する
肥後 直子
1
1京都府立医科大学附属病院
キーワード:
①感覚障害
,
②起立性低血圧
,
③胃無力症
,
④セルフモニタリング
Keyword:
①感覚障害
,
②起立性低血圧
,
③胃無力症
,
④セルフモニタリング
pp.243-246
発行日 2012年3月31日
Published Date 2012/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101339
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症例 65歳 男性 2型糖尿病
身長173cm,体重51.5kg,BMI 17.2.2002年に糖尿病を指摘されたが自己中断.2007年,全身倦怠感と体重減少,下肢のしびれ,疼痛が著明となり来院.来院時のHbA1c(JDS値)は13.9%.教育およびインスリン導入.入院後,本院外来通院中.垂れ足であり,動作は非常にゆっくりである.
《合併症》腎症2期.糖尿病網膜症:NDR.
糖尿病神経障害:下肢の振動覚;左右とも感知せず,上肢の振動覚右5秒 左9秒,モノフィラメントによるタッチテスト;5.07で知覚障害あり.神経伝道速度検査で腓腹神経の低下を認める.シェロングテストで収縮期血圧50mmHgの低下があり,急な動作時のふらつきあり.便秘あり.
《治療》超速効型ミックス製剤 朝3:昼3:晩6単位,速効型インスリン分泌促進薬1錠分1食直前,経口プロスタグランジンE1誘導体製剤3錠分3後,不整脈用剤3錠分3後,中枢神経用薬3錠分3後,アルドース還元酵素阻害薬3錠分3前.
《患者の言葉》
「最初の入院のときはね,ほんとに足が痛いというか歩けなくなって,寝られなくなって,もうこれはどうしようもないと思った.仕事を優先してきたけど,それどころじゃないって身体で感じたね.入院した時も足がじんじんと痛くて寝られなくて本当に辛かった.血糖がよくなってきてから,膝から下のしびれがだんだん下がってきて靴下分くらいになって,手も腕から先が手袋くらいになるとやっぱりうれしいよね」「この間,ぱっと振り返ったらクラっとして倒れてね.先生には急に血圧が下がったんだと言われた.怖いね」「食後に低血糖になることがある」
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