医学の進歩と社会の成熟

Advances in Medicine and Maturation of the society

　2010年のノーベル医学生理学賞は世界初の体外受精に成功した英国ケンブリッジ大学のロバート・エドワーズ名誉教授に授与されました．1978年に体外受精によってはじめて「試験管ベイビー」が誕生して以来，400万人もの子供が体外受精で誕生しているといわれています．世界中の10%以上の夫婦が不妊に悩んでいると推定される現在において，体外受精は不妊治療の重要な位置を占めるものです．しかし，体外受精が医療行為として広く認識され治療として多くの人たちに受け入れられるようになるまでには20年以上もの時間を要しました．現在でもローマ法王庁は体外受精に対して批判的な立場を取っていますが，一般的に，新しい医療が社会に受け入れられるには長い時間が必要です．

　糖尿病は重要な疾患です．