Japanese
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特集 タバコとアルコール―その似て非なるところ
アルコール依存症外来治療のノウハウ
Outpatient treatment for patients with alcohol use disorders
真栄里 仁
1
,
横山 顕
1
,
松下 幸生
1
,
森川 すいめい
1
,
真栄里 恭子
2
,
樋口 進
1
1独立行政法人国立病院機構久里浜アルコール症センター
2愛心会湘南鎌倉病院
キーワード:
①アルコール依存症
,
②糖尿病
,
③断酒指導
,
④外来治療
Keyword:
①アルコール依存症
,
②糖尿病
,
③断酒指導
,
④外来治療
pp.567-571
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101001
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アルコール依存症者数は81万人と推計されているが1),アルコール依存症として治療を受けている患者数は年間4万人前後に過ぎない2).では残りの患者はどこに行っているのだろうか? その答えは一般の診療科にある.アルコールは“五臓六腑に染みわたる”という言葉があるように様々な身体疾患を引き起こしている.内科や整形外科などの一般の診療科入院患者の約17.8%はアルコールが原因であり3),また臨床経験上も,アルコール依存症のほとんどが,精神科受診以前に内科の受診経験がある.専門医療機関受診以前の早期の段階で,適切な診断と治療が行われれば,よりよい予後が得られるのは他の疾患同様である.しかしアルコール依存症は,内科医だけでなく精神科医にとっても診断を見落としがちな疾患であり,治療はさらに困難である.実際アルコール依存症の受け入れを断っている精神科医療機関も多いのが現状である.では,精神科医でも尻込みするこの厄介な病気に内科医はどのように対処すればよいのであろうか? 簡単に答えは出ないが,本稿がそのヒントになれば幸いである.
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