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Research●研究ノート
コントロールが改善し難い2型糖尿病患者の特徴について―アキュチェック®インタビューによる分析
Clinical and psychosocial characteristics of patients with type 2 diabetes mellitus with poor glycemic control
松本 一成
1
,
藤島 圭一郎
1
,
森内 昭江
1
,
最勝寺 弘恵
1
1佐世保中央病院糖尿病センター
キーワード:
①アキュチェック®インタビュー
,
②てこずり糖尿病
,
③肥満
,
④心理
Keyword:
①アキュチェック®インタビュー
,
②てこずり糖尿病
,
③肥満
,
④心理
pp.479-482
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100987
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HbA1C10.0%以上が常態化している21例(男9/女12:平均年齢55±17歳)の患者を調査した.Body mass index(BMI)は28.8±4.2kg/m2で明らかに肥満者が多かった.治療ではインスリン治療を承諾していない患者が7例,インスリン単独6例,インスリンと経口糖尿病薬の併用8例であった.心理面はアキュチェック®インタビューで調査した.血糖コントロールが悪いにもかかわらず,大部分の患者は感情的負担が軽度であった.中等度以上の抑うつ状態は,28.6%(6例)に認められた.関心のある領域では,「食べものと食事」が最多で47.6%(10例)であった.しかしながら,行動の変化をおこす自信は低い傾向にあった.
以上のことから,コントロールが改善し難い患者は,肥満している確率が高く,食事療法のことを重要であると思っている者が多いが,それを実行する自信は低い傾向にあった.そして,血糖値が高くても感情的負担は軽いことが特徴であった.したがって,心理面を含めた検討を行って,関心のありかや,その重要性と自信度,感情的負担や抑うつの有無を確認しながら,適切な肥満対策と血糖コントロール対策を講じることが望ましいと思われた.
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