Japanese
English
Case Record●症例報告
糖尿病性腎症発症から血液透析導入までの経過を追えた緩徐進行1型糖尿病の1例
A case of slowly progressive type 1 DM made follow-up from incidence of nephoropathy to initiation of hemodialysis
福嶋 清香
1
,
花井 豪
1
,
三浦 順之助
1
,
内潟 安子
1
,
岩本 安彦
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
キーワード:
①糖尿病性腎症
,
②緩徐進行1型糖尿病
,
③透析
Keyword:
①糖尿病性腎症
,
②緩徐進行1型糖尿病
,
③透析
pp.475-478
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100986
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腎症初期から血液透析導入までの全経過を追うことができた緩徐進行1型糖尿病の1例を報告する.症例は56歳男性で,23歳時に糖尿病が発見されたがその後の血糖コントロールは不良であり,39歳時に増殖網膜症を指摘,44歳時に顕性腎症を認めた.リシノプリルの内服が開始されたが,約1年後に自己中止した.52歳時に血清Cr2mg/dLを超え,56歳時に透析導入となった.糖尿病性腎症を発症させないために,周知の厳格な血糖と血圧の管理のほかに,禁煙,脂質管理などの集約的・積極的な治療介入が重要であると考えられている.本症例では,血糖や血圧,脂質系はいずれも経過を通じて良好にコントロールできているとは言えない状況であった.
Caseの教訓:糖尿病性腎症の発症予防には,厳格な血糖,血圧,脂質管理,禁煙などの集約的・積極的な治療介入が重要である.
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