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特集 糖尿病こころと行動のキーコンセプト
糖尿病療養指導へのコーチングの適用―患者さんが自分で考えて行動を変えていくコミュニケーション
Practical application of coaching skills to support the self-management of diabetes
松本 一成
1
1佐世保中央病院 糖尿病センター
キーワード:
①コーチング
,
②コアスキル
,
③行動変容
Keyword:
①コーチング
,
②コアスキル
,
③行動変容
pp.447-451
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100979
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コーチングは,ビジネス領域において「どうすればひとりひとりの持つ力や可能性を最大限に発揮できるのか?」という発想のもとに,1950年代頃にアメリカで生まれたコミュニケーション法である.クライアントの中にある答えを引き出して,自発的な行動を促していくための,実践的な数十個のスキルとしてまとめられていることが特徴である.ひとつのスキルを学ぶと,すぐに現場で使えるという簡便性および即効性に優れている.精神科医である奥田弘美は,コーチングを医療現場向けにアレンジして,「メディカルサポート・コーチング」と名付けた(Tips 1).
糖尿病治療におけるエンパワーメントとは以下のような理念である.「糖尿病を管理する能力が患者さん自らに備わっていることを患者さん自身が発見するのを助け,その力を使っていくように支援することである」.糖尿病療養指導の担当者の中からは,エンパワーメントの理念は理解できたが,では実際にはどのように患者さんにアプローチすればよいのかがわからないという声もしばしば聞かれる.その問題に対処する方法のひとつがコーチングスキルである.
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