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特集 最新のデータに基づく日本人の糖尿病治療 日本人2型糖尿病の本質にせまる
グルカゴン負荷試験より検討したインスリン分泌不全の進展
Progressive loss of β-cell function in Japanese patients with type 2 diabetes:Analysis of serum fasting and glucagon-induced CPR levels
藤本 新平
1
1京都大学医学部附属病院糖尿病・栄養内科
キーワード:
①グルカゴン負荷試験
,
②血中Cペプチド
,
③2型糖尿病
Keyword:
①グルカゴン負荷試験
,
②血中Cペプチド
,
③2型糖尿病
pp.231-234
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100939
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2型糖尿病においてなぜ治療の変遷がみられるのか?
2型糖尿病において合併症進展を予防するためには,良好な血糖コントロールを維持することが必要である.しかし,当初は,良好な血糖コントロールの維持に,生活習慣改善のみで十分であっても,やがて経口糖尿病治療薬が必要となり,最終的にインスリン治療が必要となるなど2型糖尿病においては年余にわたる治療の変遷が経験される.この治療の変遷の原因の一つとして年余にわたる内因性インスリン分泌の低下が注目されている.大規模臨床研究(UKPDS)では,5年にわたる縦断研究で2型糖尿病における進行性のインスリン分泌能低下が明らかとなった1).この研究では,β細胞のインスリン分泌機能の指標として,空腹時の血糖値・インスリン値から計算されるHOMA-βを用いているが,減衰率は,機能が半分となるのに約8年程度の計算となり,15年程度でβ細胞機能はまったく廃絶してしまうこととなり,臨床的には減衰がやや急峻である印象がある.そこで,横断的研究とはなるが,グルカゴン負荷試験における血中Cペプチド(CPR)値を用い,日本人2型糖尿病における年余にわたるβ細胞機能低下を検討した.
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