Japanese
English
特集 糖尿病QOLのエビデンスとそれを高める工夫
移植医療とQOL
QOL of the pancreas transplantation
加藤 研
1
,
山崎 義光
2
1大阪大学大学院医学系研究科内分泌・代謝内科学
2大阪大学先端科学イノベーションセンター
キーワード:
①膵臓移植
,
②膵腎同時移植
,
③膵島移植
,
④1型糖尿病
,
⑤生活の質(QOL)
Keyword:
①膵臓移植
,
②膵腎同時移植
,
③膵島移植
,
④1型糖尿病
,
⑤生活の質(QOL)
pp.629-634
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100883
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膵臓移植は,海外ではすでに腎不全を合併した1型糖尿病患者の根治療法として確立している1).
膵臓移植には膵臓と腎臓を同時に移植する膵腎同時移植(SPK)と腎移植後の患者に膵臓を移植する腎移植後膵移植(PAK),膵臓のみを移植する(PTA)の3種類の方法がある(Box 1).
本邦では,1999年に臓器移植法が制定され,2000年に初めての膵腎同時移植が行われた2).その後,2007年末までに57例が行われているが海外に比しその数は未だ少ない.
また海外では,膵腎同時移植により糖尿病の合併症である,網膜症3),神経障害4),大血管障害5)の改善や進展抑制が報告されており,またQOLの改善についても多くの報告がなされている6~10).
疾患が患者のQOLに及ぼす影響は文化的,宗教的,社会的背景により異なるため,海外での成績をそのまま我が国には適応できない.ようやく本邦においても膵腎同時移植による合併症の改善11)やQOLの評価の報告が散見されるようになってきた.また2004年より膵島移植も行われているが,QOLに関しての評価は未だ報告されていない.
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