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特集 糖尿病QOLのエビデンスとそれを高める工夫
網膜症とQOL
Diabetic Retinopathy and Quality of Life(Vision)
羽根田 思音
1
,
中野 早紀子
1
,
山本 禎子
1
,
山下 英俊
2
1山形大学医学部視覚病態学講座
2山形大学医学部附属病院眼細胞工学講座
キーワード:
①糖尿病網膜症
,
②糖尿病黄斑浮腫
Keyword:
①糖尿病網膜症
,
②糖尿病黄斑浮腫
pp.611-616
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100880
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測定尺度を用いたエビデンスは?
□視力障害における糖尿病網膜症患者の割合
これまで,糖尿病網膜症(Tips 1)は成人の中途失明原因疾患のトップとされていた.ところが,最新の視覚障害実態調査では第一位は緑内障(20.7%)であり,糖尿病網膜症は第2位(19.0%)となった.これは,2005年度から3年計画で厚生労働省研究班によって最近1年間の視覚障害新規認定者2,034人(12.4%)を対象に行われた「網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する研究」の報告による1).前回の調査は1988年度に行われたもので(対象の新規認定者数は2,161人,13.5%),糖尿病網膜症は18.3%であった.緑内障,黄斑変性症が増加したため順位は下がったものの,決して障害者数は減少しておらずむしろ微増している.糖尿病患者総数は増加していることを考えると,今後も糖尿病網膜症による視力障害は大きな問題である.特に,社会的貢献度の大きい若年者は重症化しやすく,社会に与えるダメージは深刻である.
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