Japanese
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Perspective●展望
糖尿病における代謝管理
Metabolic control in diabetes mellitus
𠮷岡 成人
1
1北海道大学大学院医学研究科内科学講座・第二内科
pp.210-211
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100813
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糖尿病治療の目標は,細小血管障害,大血管障害の発症・進展を抑止し,非糖尿病者と変わらない高いQOLを維持した人生を過ごすことにあります.糖尿病における血管障害を抑止するためには,厳格な代謝管理が重要であることが,多くの大規模臨床試験によって示されています.
1型糖尿病患者を対象にしたDCCT(Diabetes Control and Complications Trial)1),さらにはその後に発表されたEDIC(Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications Research Group)2)の結果により,発症早期の厳格な血糖コントロールが,その後20年間にも及ぶ期間の細小血管障害・大血管障害の発症・進展に重要な意味を持つことが示されています.一方,2型糖尿病患者においては,熊本スタディ3),UKPDS(UK prospective Diabetes Study)4,5)などにより,血糖の管理,血圧の管理が網膜症や腎症のみならず大血管障害の発症・進展阻止に有用であることが確認されています.さらに,Steno-2研究では,スタチンとフィブラートによる厳格な脂質管理,ACE-IやARBを中心とした薬剤による血圧管理,アスピリンの併用,抗酸化薬などの併用のもとに厳格な血糖コントロールをめざす集約的な治療は,血管障害の発症・進展に重要な役割を担っていることが報告されています6~8).
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