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運動指針―その普及のために
藤沼 宏彰
1
1太田西ノ内病院運動指導室
pp.107
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100783
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昨年「健康づくりのための運動指針2006」が公表されました.METsやExなど,あまりなじみのない言葉が使われており,少々理解しにくいかもしれません.皆様に知っていただくため,運動指針を取り上げてみました.
この指針では目的を持ち特別に実施する運動ばかりでなく,日常生活での活動も有効な身体活動と捉えています.肥満症や糖尿病の治療として運動を捉えた時,この考え方はよく理解できます.運動を意識しなくても,筋が収縮すればエネルギーが消費されます.エネルギー消費量が増えれば肥満の予防や解消に有利に働き,肥満が原因で発症する生活習慣病の予防にも役立つでしょう.今関心を集めているNEAT(Non Exercise Activity Thermogenesis)に関する報告でも,肥満者は正常体重者に比較し立って動きまわっている時間が153分短く,その差は1日352kcalに達するとされています.生活の中でこまめに身体を動かすことも十分に有効です.
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