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特集 医療連携の新ルール
―開業医からみた医療連携の新ルール―ITを活用し,患者の希望と満足を叶える
A new rules of medical network from the point of view of the general physician
高桜 英輔
1,2
1高桜内科医院
2黒部市民病院
キーワード:
①地域医療連携
,
②プライマリケア
,
③糖尿病教育コース
,
④電子カルテ
Keyword:
①地域医療連携
,
②プライマリケア
,
③糖尿病教育コース
,
④電子カルテ
pp.597-601
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100734
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糖尿病診療は大がかりな設備や医療器械を必要としない.中核病院における糖尿病専門チームとかかりつけ医の間で医療連携が確立されている地域環境においては,糖尿病患者の診療主体はかかりつけ医であることが望ましい.医療連携のインフラの整備としてITの活用環境が不可欠である.その目指すゴールは患者の希望と満足を叶えるものでなければならない.
今なぜ医療連携が必要なのか
厚生労働省の2002年度糖尿病実態調査報告によれば糖尿病患者数は740万人,糖尿病の可能性が否定できない人880万人を合わせると1,620万人と推定されている.そのうち医師の治療を受けている患者数は400万人以下であり未治療で放置されている潜在患者は多い.しかるに糖尿病専門医は全国で2006年11月現在で約3,300人にすぎず,専門医のみが糖尿病患者の管理を担うとすれば現状でも専門医一人当たり約2,200人以上を受け持つことになり,未治療の患者をも含めるとその受け持ち患者数は専門医一人当たり約2,300人以上となり,現実的にはとうてい不可能である.しかも専門医の多くは都市部に偏在しているため地方では一層深刻である.現状では糖尿病患者の診療は,中核病院の糖尿病専門外来のほか,下駄履きで訪れきめ細かな診療を受けることができるかかりつけ医が担っているものの,いくつかの問題点が指摘されている.
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