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特集 医療連携の新ルール
これからの糖尿病地域連携パス
Clinical network system for diabetes
實重 真吾
1
1實重クリニック
キーワード:
①病診連携
,
②糖尿病
Keyword:
①病診連携
,
②糖尿病
pp.593-596
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100733
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地域連携パス(以下連携パス)は,診療所・病院・介護施設・在宅などを結ぶ切れ目のない(シームレス)の連携をいう.より一層患者本位の視点に立ち,疾病の回復過程(時間軸)に沿った一連のサービスを体系化し,道筋(=path)を示すものである.糖尿病における連携パスの特徴は,糖尿病は慢性疾患であり,それ故に長期的な視野をもつ必要がある.生涯を通じたケアプランを中心に地域一体とした連携のツールを構築することが必要となる.
連携パス導入の背景は
2008年度からの第5次医療制度改革では,「重点医療」として,癌・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病,「政策医療」として,小児救急医療と周産期医療・僻地医療・災害医療・救急医療の以上4疾患5領域が重点項目となる.この医療計画の見直しは,それぞれの疾患・事業別に地域における医療連携体制を構築し,患者が安心して医療を受けられるように診療計画を明示し(連携パス),地域完結医療を実現することを目的としている(Box 1)1).この連携パス導入の背景には,1)医療機関に関する情報不足,2)受けられる医療の流れがわからない不安,3)在宅での介護・療養生活への不安,といった患者・地域住民からの視点に立つ安全・安心で質の高い医療を受けられる体制の構築が強く望まれてきていることが挙げられる.
以上の観点から診療にあたる医療機関は,一定の疾患・疾病を持つ患者に対して病診連携・病病連携・診診連携を連携パスに沿って切れ目のない(シームレス)医療を提供していくことが要求されようとしている.
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