特集 たばこ対策
成人喫煙率12%達成に向けて
中村 正和
1
1公益社団法人 地域医療振興協会 ヘルスプロモーション研究センター
pp.659-663
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208270
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成人喫煙率減少目標のねらい
第一次の健康日本21計画やがん対策推進基本計画では,「未成年者の喫煙をなくす」という目標の設定にとどまっていたが,これらの次期計画においては,未成年者の喫煙防止の目標に加え,「成人喫煙率の減少」と「受動喫煙防止」の数値目標,「妊娠中の喫煙をなくす」(妊婦の喫煙率をゼロにする)という目標が新たに盛り込まれることになった1).
成人喫煙率の減少の数値目標については,男女計の喫煙率19.5%(2010年の国民健康・栄養調査結果をベースライン値として設定)を2022年度までに12%とすることが提案されている.この目標設定の根拠は,たばこをやめたいと考えている37.6%の喫煙者全員がたばこをやめることを想定して設定された.その背景として,2007年に策定された「がん対策推進基本計画」において喫煙率の半減目標は実現しなかったが,個別目標として「喫煙をやめたい人に対する禁煙支援を行っていくことを目標とする」ことが閣議決定されていた.このことが今回の数値目標の設定に大いに役立った.
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