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「糖尿病のケアリング―語られた生活体験と感情」
日野原 重明
1
1聖路加国際病院
pp.103
発行日 2003年1月15日
Published Date 2003/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100572
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このたび医学書院から「糖尿病のケアリング―語られた生活体験と感情」が発刊された.米国のハーバード大学医学部やジョスリン糖尿病センターのスタッフと密なる関係をもつDr. J. EdelwichとDr.A. Brodskyの二人が,糖尿病専門家としてだけでなく,患者のケアをするためのカウンセリングの教育的ならびに行動科学的技術をもつ専門家として執筆しており話題を呼んでいる.今までにない患者中心の視点から,糖尿病患者の身体的ならびに精神的,社会的ケアの方法が解説的に書かれており,その内容と様式においては類い稀な糖尿病教本と言えよう.
1型糖尿病とか2型糖尿病という診断を受けたとき,患者はどう心の反応を見せるかという心理的立場からアプローチする章が第1章である.実際の症例を用いて述べられており,医師にとっては診断名の伝え方,そして患者のもつ誤解や幻想にはどんなものがあるか,患者は果たして病名をどう受容するかの実態が興味深い.
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