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特集 上手なコンサルテーション
精神科専門医はどのようなタイミングでのコンサルテーションを期待しているか―耐糖能異常をみたらうつ病を疑え
The psychiatric consultation in diabetic treatment: Suspect depression in hyperglycosemia !
岩井 一正
1
,
奥村 俊明
1
1秦野厚生病院精神科
キーワード:
ストレス
,
生活習慣
,
摂食行動
,
耐糖能異常
,
うつ病
Keyword:
ストレス
,
生活習慣
,
摂食行動
,
耐糖能異常
,
うつ病
pp.657-660
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100506
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Case
血糖コントロール不良がうつ病に基づいていた1例
43歳の男性,3年前に会社健診で耐糖能異常が認められた.2型糖尿病と診断され,食事療法と運動療法によって,これまでコントロールは保たれていたが,最近顕著にコントロールが悪くなってきた.不況の影響で残業によるストレスがたまって,生活が不規則になっているとのことであった.経口血糖降下薬の開始で一時的には改善したが,長続きせずすぐにまたコントロール不良になった.また頭痛,めまい,肩こり,不眠などを訴えるようになった.紹介した整形外科でも明らかな異常は見あたらず,鎮痛薬と軽い入眠薬が処方された.このような結果に基づいて,血糖のコントロールに専念するよう指導を強めたが,薬を飲んでからも一向に良くならないと不満げな患者との間に,相互不信が見られるようになった.気まずいやりとりが数週間続いたあと,心配した妻が初めて一緒に来院した.最近とみに落ち込み,朝の出勤時には頭を抱え込むようになってきたが,今朝はとうとう首をつろうとしたことがわかり,精神科に紹介受診となる.
身体所見:甲状腺腫大なし,その他特記すべき所見なし.検査所見に異常所見なし.
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