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特集 上手なコンサルテーション
コンサルテーションシステムとしての病診連携の有用性と限界―病診連携はどのように開始,運営したらよいか
Usefulness and a limits of networking system for regional healthcare co-operation as consultation system
石川 和夫
1
1浦添総合病院糖尿病センター
キーワード:
地域医療
,
病診連携
,
2人主治医制
Keyword:
地域医療
,
病診連携
,
2人主治医制
pp.661-664
発行日 2003年11月15日
Published Date 2003/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100507
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Case 1
病診連携により早期発見された腎細胞癌
症例は69歳女性.15年前に高血糖,高血圧を指摘された.経口血糖降下薬にて血糖コントロール不十分であり,5年前からインスリン療法を開始した.クリニックにて定期的に管理され1年ごとに当院糖尿病センター外来を受診し,検査を受けていた.HbA1Cは7%と血糖コントロールは良好であった.2000年に施行した腹部エコーでは異常を認めなかった.2002年9月HbA1Cが7.7~8.1%と上昇し,糖尿病センター外来へ再紹介となった.特に症状はなかったが,外来受診時に施行した腹部エコーにて左下腹部に低エコー域を認めたため精査入院となった.父親が糖尿病.
身長140 cm,体重40.8 kg,血圧150/80 mmHg,胸腹部異常なし,下腿浮腫なし,アキレス腱反射(-),糖尿病網膜症(A 3),尿蛋白2+,一日尿蛋白量3.3 g/日,尿沈さ異常なし血清クレアチニン0.6 mg/dL,HbA1C 8.1%,C-ペプチド0.6 ng/mL,腹部エコー:左腎中極に低エコー域(28×23 mm),腹部CT:左腎中極にhypervascular mass(28 mm).
2003年2月腎細胞癌と診断され左腎部分切除を受けた.4月のHbA1Cは6.8%であり,クリニックへ再紹介となった.その後の泌尿器科的検査でも異常を認めなかった.
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