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研究ノート
グルコース感受性の研究―耐糖能低下への関与,治療との関連は?
Studies on glucose effectiveness
長坂 昌一郎
1
1自治医科大学内分泌代謝科
pp.85-86
発行日 2003年1月15日
Published Date 2003/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100355
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ぶどう糖自体が血糖値の低下を促進するが,この作用(グルコース感受性)と糖尿病との関わりは十分に解明されていない.
グルコース感受性と糖尿病
血糖値の上昇自体が,組織への糖の取り込みを促進し,肝臓からの内因性糖放出(Endogenous glucose production:EGP)を抑制することは古くから知られており,この作用はグルコース感受性(glucose effectiveness)と呼ばれる.インスリン作用に個体差があるのと同様に,このグルコース感受性にも個体差があると考えられる.
1980年代後半にグルコースクランプ法が確立されインスリン作用が測定されるようになったが,同時期にBergmanらが考案した経静脈ぶどう糖負荷試験(IVGTT)のミニマルモデル解析では,インスリン作用のみならず,このグルコース感受性も考慮されている.ミニマルモデルを応用した初期の研究では,2型糖尿病やimpaired glu-cose tolerance(IGT)患者でのグルコース感受性の低下が示唆された1).
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