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Brush Up 糖尿病
21世紀の国民病:糖尿病の最新の治療―合併症の発症・進展の予防を目指して―第1部 糖尿病の早期発見と早期治療―病型の鑑別と初診時の治療方針の立て方
How to diagnose the type of diabetes and how to frame a plan for the treatment at the first visit
岩本 安彦
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
pp.61-66
発行日 2003年1月15日
Published Date 2003/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100350
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【連載に当たって】
岩本 安彦
「21世紀の国民病」といわれるほど増加の一途を辿る糖尿病の診療に当たるすべての臨床医にとって,「全身疾患」であることと,コントロールしうるけれども根治しない「慢性疾患」であることを認識することが大切です.この連載は,東京女子医科大学第21回公開医学講座(2002年5月25日)をもとに構成されており,合併症の予防を目指す最新の治療について考えてみたいと思います.2部構成とし,第1部は「早期発見と早期治療」で,1)病型の鑑別と治療方針のたて方,2)経口糖尿病薬の使い分け,3)外来におけるインスリン治療,4)チーム医療とコメディカルの役割となっています.第2部は合併症の診断と治療です.この連載が読者の先生方の日常診療に有効な指針になれば幸いです.
糖尿病と心臓病の受療率を,戦後間もなくの1955年から96年まで約40年間の推移をたどりますと,1955年からこの40年間で心臓病が5倍にふえたのに対して,糖尿病の受療率は実に31倍という統計が出ています.すなわち,心臓病の受療者数も増えていることは確かですが,糖尿病の受療者数の増加のほうがはるかに大きいことがわかりました.この糖尿病の右肩上がりの増加傾向は今後もますます続くのではないかということから,21世紀の国民病と恐れられているわけです.
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