特集 患者さんに上手に説明するための17の秘訣
Master Interview
かわるとわかる―どうすれば患者さんはわかるのか―養老孟司先生(北里大学教授)に聞く
石井 均
1
1天理よろづ相談所病院内分泌内科
pp.550-565
発行日 2006年7月15日
Published Date 2006/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100248
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「糖尿病とは何か」を理解することは容易ではありません.糖尿病を体で感じるのが難しいということがあります.高血糖症状はあっても軽微ですし,長続きしません.したがって,「慢性的な高血糖状態に基づく代謝異常と,それに起因する全身臓器の血管障害」という病気を理解するには,かなり想像力をたくましくする必要があります.
医療者が糖尿病の話をできるとすれば,それは多くの糖尿病をもつ人たちと関わりを持ち,糖尿病という病気のレベルだけではなく,糖尿病を持つ人のレベルで疾患を認識できているからだと思います.
しかし,私たちがお伝えできるものはその全体観ではなく切り取られた情報です.それを受け取る側がどう解釈し,どう行動に影響するか,そのあたりのお話をおうかがいできれば幸いです.さらに,養老先生が糖尿病という疾患をどう位置づけておられるか,食べるということに対して脳はどのような支配をしていると考えておられるのか,などをおうかがいします.
(石井 均)
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