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特集 研修医と糖尿病療養指導士のための実力養成講座―なにを,どう教えるか
研修医の実力養成講座
EBMを糖尿病臨床へ応用する
Application of EBM in Clinical Diabetology
西村 理明
1
1東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
EBM
,
糖尿病
,
疫学
,
NBM
Keyword:
EBM
,
糖尿病
,
疫学
,
NBM
pp.877-881
発行日 2005年11月15日
Published Date 2005/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100045
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Case EBMの実践など,まったく想定外の新人研修医
マッチングによる研修が義務化され,当院に配属された研修医のA君.研修後の進路はまだ決めていない.研修初日に配属されたのは糖尿病内科であった.医師として,最初に担当したのは糖尿病の教育目的で入院してきたFさん,50歳の男性である.近年,仕事が忙しく,外食が多くなり,かつ運動不足のため,1年で体重が約10 kgも増加し,BMIは30を超えていた.2年ぶりに受診した健康診断でHbA1C値が9.0%であることを指摘され,当院の外来を受診した.3カ月間,食事療法と運動療法で経過観察したが,体重もHbA1C値も改善せず,主治医のすすめにより入院となった.入院後の各食前血糖値は200 mg/dL前後を推移していた.研修医のA君は,指導医に,「このままでは,合併症が起こるので,スルホニル尿素薬(SU薬)のグリベンクラミド(オイグルコン(R),ダオニール(R))を始めたらよいのではと思うのですが」と進言したところ,指導医は無言のまま立ち去ると,United Kingdom Prospective Diabetes Study(UKPDS)34 1)の論文のコピーを持ってきて,「明日までにこの論文を読破しFさんの治療方針について考えを述べるように」と言った.
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