地域・家庭医療学実践記・11
心療内科という標榜
涌波 満
1
1ファミリークリニックきたなかぐすく
pp.1076
発行日 2002年11月15日
Published Date 2002/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903668
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心身症と聞いてイメージする患者さんは,仕事熱心のがんばり屋で,不安や悲しみといった感情をあまり表に出さず,社会的には充分すぎるほどに適応してきた人が,抱え切れないほどの課題を前に,喘息や高血圧といった身体疾患を悪化させ体調をくずしている,そんな方です.心身症の方は,自分の身体症状が心理的な面と関連していることに気付いていないことが多く,心療内科の標榜を選んで受診することは少ないと考えられ,多くはプライマリ・ケア医が相談を受けることになります.このプライマリ・ケア医が,心理社会的なアプローチを駆使して患者中心の医療を展開すれば,心療内科の標榜がなくても心身症に充分対応できると考えられます.
ところで,ファミリークリニックには,この心療内科の標榜を掲げました."こころも体も総合的に診ていきたい"と意思表示するためでした.
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