JIM臨床画像コレクション
腹痛患者の腹部エコー中に判明した正常妊娠
藤村 聡
1
,
福井 次矢
1
1京都大学医学部附属病院総合診療部
pp.768
発行日 2001年8月15日
Published Date 2001/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903328
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「女をみたら妊娠と思え」と古くから医師の世界では言われているが,通常の問診では,患者も医師も妊娠を見逃すことは稀ではない(本号JIM Report,参照).しかし,すべての妊娠可能な女性に対して尿の妊娠反応を調べることは,コストの点からも推奨できない.そこで,腹痛検査のルーチンになりつつある腹部エコーの際に,子宮を観察することが好ましい.子宮は,膀胱に尿をためると,腹部エコーで簡単に観察でき,妊娠している場合6週以降にはGS (胎のう)の観察が可能である.本症例では,妊娠によりやや膨大した子宮とGSが観察される.本例では正常妊娠と判定したが,腹痛患者で子宮外にGSを認めたり,尿の妊娠検査が陽性で,子宮内にGSを認めない場合は子宮外妊娠の可能性があるので,迅速に産婦人科にコンサルトする必要がある.
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