JIM臨床画像コレクション
麻疹におけるKoplik斑
木村 琢磨
1
,
青木 泰子
1
,
青木 誠
1
,
山崎 雄一郎
2
1国立病院東京医療センター総合診療科
2国立病院東京医療センター総合皮膚科
pp.584
発行日 2000年6月15日
Published Date 2000/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903022
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近年,先進諸国では,麻疹ワクチン接種後より年月を経た者の麻疹罹患が問題となっている.今回,筆者らは,麻疹の診断には注意深い身体診察が重要であることを再認識した症例を経験した.
症例は15歳,女性.40℃の発熱,咳漱,鼻汁が出現し,2病日,近医を受診した.解熱剤と鎮咳剤を処方されて症状は軽快したが,5病日,顔面に発疹が出現.薬疹を疑われ処方が変更されたが,発疹は全身に拡がり,体温も再上昇傾向にあるため,6病日,当科を受診した.来院時,体温40℃,脈拍90回/分,呼吸数15回/分,血圧112/64mmHg.全身に紅斑を認め,顔面は紅潮し浮腫状で,眼瞼結膜は充血し,消耗状態にある印象を受けた.口腔粘膜は一様に発赤し,頬粘膜に周囲に爪甲大の紅斑を伴うKoplik斑と思われる数個の白点(表紙写真)を認めた.麻疹の予防接種歴を認めたが,臨床的に麻疹を最も疑い,後日,血清学的にも確認された.
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