JIM臨床画像コレクション
腸結核
宗像 博美
1
,
今西 幸市
1
1湘南鎌倉総合病院消化器内科
pp.934
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902847
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腸結核には,胸部X線上,肺結核の所見を認めない原発性腸結核が約50%,活動性または陳旧性肺結核を合併している腸結核が約50%あり,最近は前者の割合が増えている.
症例は72歳,女性.35歳時,肺結核にて右上葉切除術施行,現在まで再発なく経過.今回,数週間続く倦怠感,食欲低下,微熱を主訴に来院.腹痛や便通異常などの腹部症状はなかったが,明らかな原因となる病変を他に認めなかったため,炎症性腸疾患なども考慮し大腸内視鏡検査施行.左図:回腸,右図:横行結腸,回腸末端部から横行結腸にかけて非連続性に分布する,辺縁に発赤を伴う輪状,帯状,および不整形の潰瘍を認めた.生検組織の結核菌RNA検査が陽性であったため,抗結核療法開始(INH, RFP, PZA).症状は数週で消失,CRPも2.7μg/dlから0.3μg/dl以下へと正常化した.
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