今月の症例
大腸生検にて結核菌が証明された腸結核
渕上 忠彦
1
,
小島 進
1
,
岩下 明徳
2
Tadahiko Fuchigami
1
1松山赤十字病院消化器科
2松山赤十字病院病理
pp.588-590
発行日 1986年6月25日
Published Date 1986/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110347
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〔症例の見どころ〕腸結核のX線検査による臨床診断は比較的容易であるが,典型的X線像を呈しても特に抗結核剤にて加療された症例は病理組織学的に腸結核の確定診断が得られることはまれである.本症例も術後の病理学的検索では腸結核としての確定的所見は得られなかったが,加療前に施行された大腸生検にて結核菌が証明され腸結核と確診された症例である.
患者は38歳,女性.2年前より時々腹痛が出現していた.数か所の病院を受診するも腹痛の原因は不明であった.当科にて腸結核と診断し抗結核療法(SM,INH,RFP)を3か月間施行したが,狭窄症状が出現してきたため手術された.入院時,赤沈値50/90mm,CRP3+,便結核菌培養(5日間)陰性,Mantoux反応強陽性であった.
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