JIM臨床画像コレクション
食道mucosal bridge(粘膜架橋)の1例
宗像 博美
1
,
今西 幸市
1
,
白潟 智一
1
1湘南鎌倉総合病院消化器内科
pp.466
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902735
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消化管におけるmucosal bridgeは,炎症性腸疾患などで大腸に発生するものが知られているが,食道においては稀である.
症例は86歳男性.手術不能な下部食道癌(扁平上皮癌)による食道狭窄に対して,径10mm,有効長10cmのシリコン性人工食道を留置.その8カ月後に嚥下困難が再出現した.左上図:食道内視鏡像.一見,巨大な亜有茎性ポリープ様にみえるmucosal bridgeを人工食道の口側に認める(矢印:bridge両端部).左下図:食道X線像.同病変による透亮像がみられる(矢印:bridge両端部).右上図:内視鏡的にmucosal bridgeを切離,除去した(矢印:切除断端).右下図:H-E染色像.重層扁平上皮に覆われた肉芽性病変で,粘膜筋板は保たれており,肉芽組織の形成は主として粘膜下層にみられる.粘膜固有層には中等度の慢性炎症性細胞浸潤を伴う浮腫が目立つ.病変部の切除後に再び摂食可能となった.
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