増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔腸〕
粘膜橋,粘膜紐,polypoid mucosal tag(mucosal bridge, mucosal tag)
福永 秀平
1
,
光山 慶一
2
1久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門
2久留米大学病院炎症性腸疾患センター
キーワード:
炎症性ポリープ
,
潰瘍性大腸炎
Keyword:
炎症性ポリープ
,
潰瘍性大腸炎
pp.648
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200995
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定義
粘膜橋(mucosal bridge)とは消化管粘膜面の特異な形態に対する呼称であり,その病態は食道,胃,十二指腸,大腸にみることができる.大腸での報告が最も多く,形態上の特徴は消化管粘膜面から管腔方向にアーチ状に形成される橋梁構造であり,その橋桁に相当するband状の部分は浮腫状,不整形,平滑など種々の様相を呈するが,全周にわたって粘膜で覆われている.消化管内腔方向の面は本来の粘膜で,消化管壁方向の面は再生粘膜で覆われていることが多い(Fig. 1a,b)1).粘膜紐(mucosal tag)は,下掘れ潰瘍辺縁の粘膜がポリープ状に垂れ下がったものを指し,樹枝状,珊瑚状,ブドウの房状,鍾乳石状を呈するようになると粘膜橋に極めて近い状態となる(Fig. 1c)2).
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