Update '97
ボツリヌス毒素による眼瞼けいれんの治療
服部 優子
1
1順天堂大学脳神経内科
pp.1031
発行日 1997年12月15日
Published Date 1997/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902327
- 有料閲覧
- 文献概要
1996年10月,わが国においてボツリヌス毒素の臨床使用が眼瞼けいれんのみに適応を限って厚生省の承認を受けた.米国では1989年に承認されすでに効果が確立している.眼瞼けいれんは従来の治療法には限界があり,今回承認されたボツリヌス毒素の眼瞼けいれんに対する有効率は90%を超えることからまさに待望の承認といえる.
眼瞼けいれんは主として顔輪筋の不随意収縮によって開眼が困難になる病態で,いわゆる局所性ジストニアに属する.顔面,口,下顎など他部のジストニアを合併するものをMeige(メイジュ)症候群という.従来,抗コリン剤や精神安定剤などの内服治療のほか外科的治療も試みられてきたが,満足のいく治療効果が得られないことが多かった.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.