Japanese
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特集 かぜ診療のクオリティを高める
患者の特性に応じたかぜのみかた
慢性疾患患者のかぜ
On the Approaches to Commom Cold of Patients with Chronic Disease
土谷 茂樹
1
1土谷医院
pp.892-893
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901639
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■たかが"かぜ",されど"かぜ"
患者:66歳,男性.
15年来高血圧症で筆者の加療を受け,血圧も諸検査成績も良好で順調な経過を辿ってきた.少し肥満気味だがゲートボールに熱中'喫煙1日10本が欠点.3月某日「かぜをひいて咳が出ます.熱もないので軽いかぜでしょう」という.聴打診異常なし.3カ月前の胸部X線写真も正常なので気管支炎として鎮咳薬処方.7日後再び受診.「しつっこいかぜで咳がまだ止まりません.たかがかぜなのに」そこで胸部X線写真を再撮したら右上肺野に3×3cmの塊状陰影が出現してびっくり.未分化型小細胞癌であった.この型は進行が早い.
〈コメント〉①慢性疾患で長い経過を辿っていても必ず一疾患だけで終わらないことを心にとめること.②喫煙者で咳を強く訴える場合は,例え3カ月前に胸部X線写真が正常であっても必ず再撮すること.たかが"かぜ",されど"かぜ"のときがある・
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