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特集 かぜ診療のクオリティを高める
患者の特性に応じたかぜのみかた
免疫不全患者のかぜ
Flu Symptom in Immune Compromised Host
畠 清彦
1
1自治医科大学血液学
pp.894-895
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901640
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■成人T細胞性白血病
患者:46歳,女性.
白血球数4200/μl,ヘモグロビン11.6g/dl,血小板21.4万/μl,エトポシドの内服治療でコントロールされた成人T細胞性白血病.2日前より咽頭痛,扁桃の腫脹に気づき来院.来院時左頸部に1cm大のリンパ節腫大を認める.イソジンガーグルによる口腔内消毒,オゼックスによる治療を行ったが,1週間後に反対側の扁桃腫大と38℃台の発熱,両側頸部から鎖骨上リンパ節腫大を来した.右扁桃から咳嗽時に出血し,脱水が著明となり再び入院した.入院後の検査所見から成人T細胞性白血病の悪化による高カルシウム血症の存在することが判明した.カルシトニン製剤,ステロイド剤の投与,および広域ペニシリン,アミノグリコシド系抗生物質の投与により,発熱の軽減,カルシウム値の正常化を来して軽快した.高カルシウム血症による脱水が合併していたと考えられる.
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