特集 コミュニケーション上手な医師になる
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私のコミュニケーション・スキル
田代 邦雄
1
1北海道大学神経内科
pp.805
発行日 1995年9月15日
Published Date 1995/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901615
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神経学(neurology)は長い伝統をもつ学問で,1995年は「近代神経学の創始者」とされるRombergの生誕200年にあたることより日本神経学会総会の会長講演としてとりあげられ,また,2年前の1993年は「臨床神経学の父」とされるCharcotの没後100年目としてフランス,そして日本でも記念会が催された.日本における神経学は,独仏に留学しCharcot, Oppenheimなどの神経学者のともで学んだ東京大学の三浦謹之助先生(1864~1950)が「日本における臨床神経学の親」といわれているが,最近,名古屋大学の前身,愛知医学校の川原汎先生(1858~1918)が日本最初の神経内科書を上梓されているという事実も明らかとなった.このように長い歴史をもつ神経学も,日本において「神経内科」として大学病院に公式に看板があがったのは1964年(昭和39年)の九州大学病院が初めてであり,やっと30年が過ぎたところである.
したがって,神経内科とはどういう診療を行う所なのかは,患者のみならず医療関係者の間でも十分理解されているとはいい難いのである.簡単に言えば,神経内科とは,脳,脊髄,末梢神経から筋肉までの病気を内科的に診断,治療,研究する領域と表現することができる.実際に,外来には,頭痛,しびれ,めまい,けいれん,運動麻痺,言語障害などなど,多彩な訴えの患者が受診してくる.
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