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特集 ショック症状への対応
症状からのアプローチ
蜂刺傷,嘔吐,失神―アナフィラキシーショック
Bee Sting, Vomiting, Syncope:Anaphylactic shock
竹原 栄一
1
1茅ヶ崎徳洲会総合病院内科
pp.693-695
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901582
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■蜂刺傷によるアナフィラキシーショック
患者 64歳,女性,主婦.
主訴 蜂刺傷,嘔吐,失神.
自宅近くにアシナガバチの巣があり,以前刺された既住がある.朝,自宅近くの木を切っていたところ,蜂の巣があり,数匹の蜂に背部をさされた.すぐ自宅に戻ったところ,全身倦怠感,眼前暗黒感,嘔気,嘔吐が出現し,隣人を呼んだ.隣人が来たときは呼名に反応がなかったためすぐ救急車を呼び,当院に搬送された.来院時,意識清明,顔面蒼白,血圧は触診で60mmHg,心拍数110/分,皮膚は浮腫状で,背部に膨疹を生じていた.蜂刺傷によるアナフィラキシーショックと診断し,エピネフリン0.5mg皮下注し,乳酸加リンゲル液の点滴静注を全開で開始した.さらに,ハイドロコルチゾン200mg静注,ジフェンヒドラミン20mg静注を行った.乳酸加リンゲル液を1,000ml点滴したところで,血圧100mmHg,心拍数80/分となり,当院ICUに入院となった.その後,アナフィラキシー症状の再燃もなく経過し,第3病日に退院した.
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