Japanese
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特集 しびれを理解する
Editorial
しびれを理解する
Numbness and Tingling in the Clinical Domain
木村 淳
1
1京都大学神経内科
pp.297
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901142
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- Abstract 文献概要
しびれは難解な概念である
しびれというのは日本独特の言葉で,どういうふうに訳しても英語にはぴったり当てはまらない.Numbnessとかtinglingとかいう表現はあるが,いずれもしびれと同意語ではない.ドイツ語にも適切な訳がなく,日本の医師は「しびれGefuhl」というような言い回しをして,この概念がいかに難解であるかを証明している.
患者が「しびれた」と言うのは長時間の正座によって「しびれがきれた」という場合の,末梢血行障害や神経の圧迫で起こる機能的な一過性麻痺と自発性のピリピリ感を指すことが多い.これ以外にも驚いたり,感激したりした時「しびれて」体が動かなくなったとか言うが,この場合は心理的な状態を指し精神状態そのものを意味する.患者によっては,体,特に四肢の末端脱力,あるいは顔面神経麻痺を「しびれ」というふうに訴えることもある.
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