JIM Report
グループ診療への提言(1)
高柳 和江
1
,
岩﨑 榮
1
1日本医科大学医療管理学
pp.84-88
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901085
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[はじめに]
質の良い医療と医療効率という両面を需要と供給の双方から満足するものとして,米国では,消費者の視点からみたマネージド・ケア(J1)への傾斜があり,医療従事者の視点からみたグループ診療の成長が目覚ましい.1914年のメイヨークリニック以来,約80年にわたるグループ診療の歴史で,その原則的方法論が確立している.翻って,日本では,院長は医師でなければならないという制約があり,医療管理を医師が行う慣習がある.医療管理の専門的な知識,技能,態度の教育,訓練がなされないままで,経験則で医療施設の管理をなさざるを得ない現状となっている.
米国のグループ診療は,個々の医師は医療に専念し,専門の管理者が組織のマネージメントを行うという,日本でいえば大学病院や総合病院における外来部門のような形態を取ってきた.医師側は医療に専念できること,24時間制のオン・コールがないことを2大メリットとして挙げている.
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