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フライ先生の日常病レッスン・2
高血圧
Hypertension
楢戸 健次郎
1
John Fry
1栗沢町美流渡診療所
pp.260-261
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900785
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高血圧とは
すべての医師,それに患者の大部分が高血圧については十分理解していると思われるだろうが,まだまだ不明,不確実なことが多く,治療に当たって医師はしばしばジレンマに陥る.よく考えてみれば高血圧とは器械,血圧計が下した診断である.したがって,身長計で測った"高い身長"や体温計で測った"高い熱"と同じように記録だけのものであり,それだけであまり悩むことはない.それに高血圧については,知らないことが多すぎる.その90%以上が本態性であり,原因がわからない.また,どこからを異常とみるかで診断が大きく変わる.
筆者は45年間英国で第一線の臨床医として働き,その間,すべての高血圧患者を記録しその経過を追ってきた.1970年半ばまでは有効な降圧剤がなく,したがって20年間くらい高血圧患者の自然経過をみることができた.筆者の高血圧の診断基準は150/90mmHg以上が持続する場合である.
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