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Special Article
米国の家庭医学における研究―この20年の歩み
Research in Family Practice in The United States : The First Twenty Years
Thomas L. Stern
1
,
木戸 友幸
Tomoyuki Kido
1Family Health Foundation of America Director Emeritus & Founder-Residency Assistance Program
pp.998-1001
発行日 1992年11月15日
Published Date 1992/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900645
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□端緒
1960年代半ばの米国では,医師がますます専門化し,すべての国民に医療をという目標が危機にさらされていた.このため,米国医師会(AMA)と連邦健康教育省(Federal Department of Health and Education)がそれぞれ,この問題の検討のために調査機関を作った.すなわち,AMAがスポンサーであるWillard委員会1)と,健康教育省にサポートされた卒後教育についての市民委員会(Citizens Committee on Graduate Medical Education)2)である.彼らはつぎのような同様の結論に達した.「包括的で個人にあわせたヘルスケアを提供することを訓練するような,新しい種類の家庭医学の専門科が必要である.」
McWhinneyは,1966年のLancetに「専門性」を次のように定義している.独自の活動の場と,きっちりした専門的知識と,知的エネルギーをそそるような研究と訓練のできる領域を持つことだと.彼は,こうも言っている.一般(家庭)医学はそれが真の鍛練(discipline)でなければ存続し得ない3).
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