当直医読本
敗血症の症状が解熱鎮痛剤でマスクされることがある
寺沢 秀一
1
Hidekazu Terasawa
1
1福井県立病院救命救急センター
pp.206-207
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900063
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トピックス
敗血症は本来ならば悪寒,戦慄,高熱などで医師や看護婦にその感染症の重症度を示し警告を与えるはずなのに,それらの症状を解熱鎮痛剤がマスクしてしまい,あたかも突然ショックが訪れたかのような経過となることがある.解熱鎮痛剤が敗血症をわかりにくくし,敗血症性ショックの発見を遅らせるのである.すでに解熱鎮痛剤が投与されている患者では,微熱~平熱でも,全身倦怠が強い患者では重症感染症の可能性を考慮すべきである.
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