Generalist and Specialist
"General"と"Special"を止揚する
岡村 哲夫
1
Testuo Okamura
1
1東京慈恵会医科大学第4内科
pp.183
発行日 1992年3月15日
Published Date 1992/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900363
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臨床医の理想は患者を全人的に診ることができる能力を身に付けることである.そのために,すべての分野にわたっての深い知識,優れた技量,豊富な経験を持つことであり,さらに英知を磨き,徳を積むことである.しかし現在は単に知識に限ってみても,情報量があまりにも多過ぎて,同じ努力では,広く・浅くなるか,あるいは狭く・深くならざるを得ない時代であり,後者の特性を持つ,いわゆる専門化,specialistの時代となった.
一方,卒業生の大部分が大学附属病院のストレート研修に入り,そのまま数年医局にいて,内容的には専門医になってしまうという実態がある.ごく一部を除き,大学附属病院ではgeneralなものを身に付けることはできない.近年さらに亜専門領域への傾斜も強くなり,specialistまたはsubspecialistのみが養成されるという結果を招いている.
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