当直医読本
内耳性めまいと誤診されることがある小脳出血
寺沢 秀一
1
Hidekazu Terasawa
1
1福井県立病院救命救急センター
pp.800-801
発行日 1991年11月15日
Published Date 1991/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900257
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トピックス
小脳出血はくも膜下出血と同様,出血が少ない場合や発症初期では意識障害も片麻痺もないために,重篤な脳血管障害と思われず見過ごされることが少なく,ない.初期で症状が軽く診断の困難な時期にうまく診断されれば,社会復帰しうる脳卒中であるが,重篤な意識障害や麻痺が出現して,診断が容易になった時期では最悪の予後をまぬがれないことが多い.脳神経外科医へのバトンタッチのタイミングが予後を左右するため,初診医の責任は重く,間違えると医事紛争になりやすいものである.回転性めまい,嘔吐では小脳出血を見逃してはならない.
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