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特集 腰痛を見分ける
スポーツマンの腰痛―脊椎分離症,脊椎すべり症
Low Back Pain in Athletes:Spondylolysis and Spondylolisthesis
山際 哲夫
1
Tetsuo Yamagiwa
1
1京都教育大学体育学科スポーツ医学研究室
pp.668-669
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900212
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ポイント
・脊椎分離症および分離すべり症は,主として第5腰椎に生じる.
・脊椎分離症は過労性骨障害が原因であると言われており,発育期における過度のスポーツ活動中の上半身への繰り返されるストレス(特にひねり動作)によって,腰椎後方要素(関節突起間部)に亀裂を生じる.
・一般人と比較してスポーツ選手では,5~7倍の脊椎分離が認められるが1),分離の存在は必ずしも腰痛の発現を伴うとは限らない.しかし,スポーツ選手では腰痛の発現頻度が高くなる.
・大部分は小・中学生で発生しており,成人以降の発生はまれである.
・発生初期の脊椎分離(亀裂型)は,スポーツ活動の一時中止とコルセットによる固定で,分離部の骨癒合が得られる場合もある.
・偽関節型の分離症は,保存的治療によって分離部の骨癒合を得ることはできない.
・発育期のスポーツ選手の腰痛に対しては注意深い観察が必要で,脊椎分離が疑われる場合はCTや骨シンチグラフィーを行い早期発見につとめる.
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