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特集 発熱の診療ストラテジー
外来患者の発熱の診かたと対応のしかた―こどもの発熱も含めて
General approach to fever in adults and children outpatients
五十嵐 正紘
1
Masahiro Igarashi
1
1自治医科大学地域医療学
pp.141-145
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900038
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ポイント
医師と患者が熱のことを学習を.
・熱の併発症状に注目を.
熱はしばしば最初の,しばしば最後まである症状で,かつ素人も迅速に把握しやすく,定量化しやすい点で重要な症状である.しかし,熱だけの分析で診断に至るのは難しい.確定診断に至るにはむしろ併発の症状に探求の目を向けよう.特に,患者は同時にある色々な症状の中で熱に注目を傾けがちで,医師がこの影響下に入ると,誤診や的外れのケアに陥ることがある.
こどもでは,1)言語表現が未発達なので,全身状態を非言語的に診ることと,2)感染症が袋小路で起こることが多いので耳などの「穴を診る」ことが特に重要である(→1).
・若いうちに一度は熱に関する勉強をしよう.
熱だけをとつても子細に観察すると随分診断的示唆がある.この示唆を得るためには,熱に関する生理,病理,臨床疫学,行動科学を勉強する必要がある.
ところで,熱は最も日常的な症状であるにも関わらず,真剣に,そして系統的,構造的に,熱について学習する機会を自分の生涯を通じて一度でも持つ医師は少ない.
本稿では以下に熱について学習したい事項を箇条書にする.
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