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特集 発熱の診療ストラテジー
Editorial
発熱の総合的診療
General approach to fever
福井 次矢
1
Tsuguya Fukui
1
1佐賀医科大学総合診療部
pp.140
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900037
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- Abstract 文献概要
発熱は医学の歴史を通じて,研究上および診療上の主要なテーマであり続けて来た.発熱のメカニズムに関する最近の研究では,内因性発熱物質としてのinterleukin 1α,1βやtumor necrosis factor―α,それら発熱物質の調節因子としてのglucocorticoidsやprostaglandinE2の作用など,着実な知識の蓄積がうかがえる.
一方,診療上のカテゴリーとしての発熱も,過去30年間でかなりの様変わりを示している.社会環境の変化と医療技術の発達に伴い疾病構造は変わり,発熱の原因スペクトラムも絶えず変遷している.ある種のウイルス疾患や原因不明の疾患が増加する一方で,優れた臨床研究による医師の側の注意力喚起や画像診断などの診断技術の進歩によって容易にしかも早期に診断され加療される結果,かなり予後の改善した疾患もある.
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