今月の主題 抗生物質の使い方
感染症へのアプローチ
発熱患者への合理的対応
根岸 昌功
1
1東京都立駒込病院・感染症科
pp.2392-2395
発行日 1988年10月10日
Published Date 1988/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222126
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疾患が身体にさまざまな症候をひき起こすが,そのうち最も一般的な症状のひとつが発熱である.また,程度の差こそあるが,発熱は自覚的にも,他覚的にも気づきやすい症状であるため,医療機関を訪れる患者の主訴のうち最も多いもののひとつである.
発熱を主訴として受診する患者の大半は,何らかの感染性疾患にかかっているのが事実である.しかし,他の炎症性疾患でも発熱を主徴としていることは,発熱性疾患の鑑別診断をする上で忘れてはならない.実際に,医療機関で種々の検査を積極的に施行しても,1週間後に診断し得ない不明熱があるが,このうち約20%が何らかの悪性腫瘍,15%程が結合織疾患,15%程が肉芽腫性ないしアレルギー性の炎症性疾患である.
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