私的小児科外来診療学入門[4]
急性発熱の診かた(1)
加藤 英治
1
1福井県済生会病院小児科
pp.884-888
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101245
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小児のプライマリ・ケアで受診者の約半数は発熱児です.「急に熱が出ました」と発熱から短時間で受診する小児に対するアプローチについて,今回は細菌感染症とウイルス感染症の鑑別を中心に考えます.
発熱児をみたら感染症と思え
発熱は,症例1のようなうつ熱*など感染症以外の原因もありますが,発熱児の大多数が感染症です.また,発熱が感染症を疑わせる唯一の症状のことも多く,発熱児をみたら感染症といっても過言ではありません.
日常診療で小児の発熱の8割は“かぜ”といわれ,ほとんどは3日以内に解熱するウイルス性疾患です.保護者が“かぜ”だと考えている発熱児から,“かぜ”以外の疾患を正確に診断することが小児科医の技量でまた腕の見せ所ですが,“かぜ”だと診断した患児が2,3日後に細菌性髄膜炎と判明した時に受けるダメージは筆舌に尽くしがたいものです.
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