Japanese
English
特集 ‘息苦しさ’への対応
喉頭疾患
Laryngeal stenosis
織田 正道
1
Masamichi Oda
1
1祐愛会織田病院
pp.36-38
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900011
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ポイント
喉頭,特に声門部は上気道の中でも最も狭く,炎症・腫瘍・外傷・神経麻痺いずれの場合でも‘息苦しさ’の原因となりうる.さらに診療上,小児と成人では臨床経過にかなり違いがあるため,分けて考える必要がある.
①小児
●急性声門下喉頭炎(仮性クループ):3歳末満の乳幼児に好発し,声門下腔の炎症性狭窄.犬吠様咳嗽が特徴.
●急性喉頭蓋炎:喉頭蓋の著しい発赤と腫脹."のどが痛い"と強く訴える.
●喉頭異物:魚骨などの異物誤嚥の有無を聞き出す.食道入口部の異物でも喉頭浮腫を起こす.
②成人
●急性喉頭蓋炎:小児より症状発現は緩慢.嚥下痛のため,流涎がみられる.
●喉頭浮腫:扁桃周囲膿瘍など咽頭・頸部軟部組織の炎症に伴うことが多い.
●喉頭腫瘍:嗄声,失声を伴うものが多い.その他に巨大声帯ポリープ・ポリープ様声帯・両側反回神経麻痺・喉頭外傷が頻度として多い.
また,最近では咽喉頭部の閉塞感,異物感など息苦しさに似た訴えで来院する患者が増加傾向にあり,多彩な訴えの割には症状は軽く,局所に病的所見が見出せない場合も少なくない(咽喉頭異常感症).
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