特集 耳鼻咽喉科CT診断
CT読影の実際
喉頭・下咽頭疾患
大畑 武夫
1
,
小林 敏雄
1
Takeo Ohata
1
1信州大学医学部放射線医学
pp.831-838
発行日 1982年10月20日
Published Date 1982/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209511
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
現在まで大部分の喉頭癌の治療方針は内視鏡検査で決定され,その検査で腫瘍の下縁が不明確な症例には喉頭造影が役立ってきた。しかし,両検査を施行しても腫瘍の深層部への進展度は不明確で,声帯や披裂部の動き,喉頭軟骨と喉頭内面との距離などでそれを予想するにとどまっていた。
X線CTは,腫瘍そのものの横断面につき幾スライスかにより全体的に映像化して,腫瘍の深層部への進展を明らかにして,喉頭癌の治療指針として有効な情報を提供することが期待されている。この小論により喉頭癌および下咽頭癌のCT像につき,内視鏡および喉頭造影所見といかなる点で異なるかを記述する。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.